ヒソカで学ぶ条件文(論理含意)
なにいってんだ?ってなった人のための記事.
条件文(論理含意)とは?
これを理解するには,論理演算における論理含意(条件文)を理解する必要があります.
条件文とは,「もし,Aならば,B」という形式の文です.
例えば,「カエルが泣けば,雨が降る」という文がそうです.
上の例では,Aは,「人形が消滅した」,Bは,「ギャラリーフェイクが解除された」ですね.
と書きます.
という条件文が,どのような場合に正しい(真)か見ていきましょう.
真 | 真 | 真 |
真 | 偽 | 偽 |
偽 | 真 | 真 |
偽 | 偽 | 真 |
「カエルが泣けば,雨が降る」の例では?
本編は少しわかりにくいので,「カエルが泣けば,雨が降る」という条件文で順番に見ていきましょう.
表の1行目は,そのままで「カエルが鳴いて,雨が降った」場合,この条件文は正しい(真)ですね.
2行目の「カエルが鳴いたのに,雨が振らなかった」場合,この条件文は間違い(偽)ですね.
この2つは皆さん納得じゃないでしょうか.
では,3番目のケース,「カエルが鳴かなくて,雨が降った」場合は,どうでしょう?
結論から言うと,この場合も条件文は真になります.
これは,「え?」って思った方も多いんじゃないでしょうか?
この条件文は,「カエルが鳴いた」場合に,「雨が降ること」を言及しているのであって,「カエルが鳴かなかった」場合に言及しているわけじゃないんです.
同様に,4番目の「カエルが鳴かなくて,雨が振らない」も真ですね.
3番目のケースは,納得できない人も多いかもしれません.
なぜ,納得できないない人が多いのでしょうか?
- 「ならば」の条件文を,時間的な依存関係があるものとして読む癖がある
- 「ならば」を相関や同値()として読む癖がある
が考えれれますが,これはあくまで,論理演算における話であって,日本語の解釈としては,どちらが正しいかは微妙です.
実際,3番目の例に違和感がある人は多いようです.
ヒソカの例では?
話を戻して,ヒソカの例に戻りましょう.
これ場合も全く同じ.
Aは,「人形が消滅した」,Bは,「ギャラリーフェイクが解除された」ですね.
このシーン,実際には,「ギャラリーフェイクが解除されたのに,人形は残っている」つまり,サンアンドムーンのプロテクト効果に気づいたシーンですね*1.
つまり,上記3番目のケース,Aが偽,Bが真のケースであり,真であり,「もしも人形が消滅したら,ギャラリーフェイクを解除したからと判断してもらっていい」は嘘でないということになります.
ちなみに,「人形が残っているうちは,ギャラリーフェイクを解除していないと判断していい」は,ですね*2.
「もしも人形が消滅したら,ギャラリーフェイクを解除したからと判断してもらっていい」は,嘘にならず,クロロは嘘を言ってないことになります.
この戦闘において,クロロが嘘を言っていないということは,共闘説を考えるうえでも前提にするべきことだと思います.
余談
真 | 真 | 真 |
となるケースは,
- 刻印なし人形
- サンアンドムーンの刻印によりプロテクトされた人形
の2パターンありえまして,
刻印なし人形が消えた場合,ギャラリーフェイクが解除されていますね.
刻印あり人形が消えるケースは,やや複雑で,刻印を合わせて爆発させると,刻印が消えるため,プロテクトが外れます.
そのとき,ギャラリーフェイクを解除していれば,人形は消えます.
もしもギャラリーフェイクを栞で維持し続けていれば,消えません*3.
この場合も,やっぱり,
「もしも人形が消滅したら,ギャラリーフェイクを解除したからと判断してもらっていい」
は正しい.